獣医師のにゃんとす@nyantostosです。
猫砂は結局どれを選んだらいいのでしょうか…?
猫砂って種類がたくさんあって難しいですよね。
結論から言うと、愛猫のことを1番に考えるなら、鉱物系でホコリの舞にくい猫砂を選ぶべきです。
そこで、この記事では…
- 猫はどの猫砂を1番好むのか?
- 猫砂の正しい選び方
- 獣医おすすめの猫砂
などを科学的根拠に基づいて詳しく解説します!
獣医にゃんとす
– 獣医師・獣医学博士
– 臨床獣医師を経験後、がんをはじめとした難病に苦しむ動物を救うべく研究者を志す。
– 1匹の猫と暮らす「げぼく」
– 著書:猫をもっと幸せにする『げぼくの教科書』
この記事を書いた人
獣医にゃんとす
– 獣医師・獣医学博士
– 臨床獣医師を経験後、がんをはじめとした難病に苦しむ動物を救うために研究者を志す。
– 1匹の猫と暮らす「げぼく」
– 著書:猫をもっと幸せにする『げぼくの教科書』
なりすまし行為に注意
獣医師相談サイトなどで獣医にゃんとす、もしくはこの記事のゴーストライターを名乗るなりすまし行為が多数発生しております。このブログのすべての記事を獣医にゃんとす本人が執筆しております。またいかなるプラットフォームでも個別相談はお断りし、かかりつけ医の受診をお願いしております。なりすまし行為にはご注意ください。
おすすめの猫砂①:なぜ猫砂にこだわる必要がある?
猫が猫砂を気に入っていないと、トイレ以外で粗相をしたり、トイレを我慢したりするようになります。
粗相をされるともちろん困りますが、トイレを我慢するようになると、尿石症や特発性膀胱炎のような下部尿路疾患のリスクが上がります。
そして何より気に入らない猫砂で我慢させるのは、猫ちゃんがかわいそうかなと思います。
我々ニンゲンも公衆便所よりあったか便座の洋式トイレの方がいいですよね。
愛猫のストレス軽減・泌尿器病予防のために、猫砂選びはとっても大事なんです。
そもそも猫がトイレを気に入っていないことに飼い主が気づいていない?
実はそもそも猫がトイレを気に入っていないことに気づいていない飼い主さんが多いんですよね。
例えば、あなたの猫はこんな仕草していませんか?
- トイレの縁に足をかける
- トイレ以外の壁や床をかく
- 排泄後、砂をかかずに飛び出る
これらは最新の研究で明らかになった猫がトイレを気に入っていないサインです。
おすすめの猫砂②:猫が最も好む猫砂の特徴は?
鉱物系は自然の砂にもっとも近い
では、猫はどんな猫砂をもっとも好むのでしょうか?
これまで猫砂の好みについての研究もいくつか行われてきました。
Neilson(2001)らは、固まるタイプの猫砂を好むことを発見、さらにBorcheltらも同様に15種類の猫砂のうち、粒が小さい固まる猫砂を好むことがわかりました。
さらに東京猫医療センターの服部先生・ライオン商事の共同研究(JCVIM, 2020)によると鉱物系の猫砂を最も好むことがわかりました。
以上の結果を踏まえると、がっちり固まる粒が小さい鉱物系の猫砂を選ぶべきだということがわかります。
猫が好む猫砂の特徴
- 粒が小さく、自然の砂に近い
- がっちり固まる猫砂
- 重量があってかきごごちが良い
鉱物系の猫砂が猫人気No.1なのはこの条件を満たすからなんですね。
鉱物系に含まれるベントナイトは危険か?
ベントナイトとは、鉱物系の猫砂の主成分で、猫砂がおしっこで固まるのはこのベントナイトのおかげです。
しかし、ネット上ではベントナイトが危険という情報が多くあります。
鉱物系の猫砂の砂ぼこりは大丈夫でしょうか?ベントナイトを猫が吸っているのではないかと心配です。
という声をTwitter上でもたくさん目にしました。
結論から言うと、今のところベントナイトを含む鉱物系の砂の使用と特定の病気の発症との関連は報告されていません。
そのため、ベントナイトを極度に恐れる必要はありません。
ベントナイト中毒の猫の1例という症例報告は存在しますが、これは異食症の猫ちゃんが鉱物系の猫砂を大量に食べてしまった…というレアケースです。
ただし、砂ぼこりはなるべく吸わないに越したことはありません(これはベントナイトに限った話ではなく、木製・紙製など他の猫砂でも同じです)。
猫砂を選ぶ際は、砂ぼこりが立ちにくい鉱物系を選ぶのが良いと思います。
おすすめの猫砂③:他の猫砂はだめ?
猫砂は鉱物系以外にも多くの種類が存在します。
主に猫砂は以下の5種類に分類できます。
- (鉱物系)
- 紙製
- 木製
- おから
- シリカゲル
鉱物系以外の猫砂はダメなんでしょうか?
個人的な意見ですが、鉱物系以外の猫砂は愛猫のことを考えるならおすすめできません。
詳しく見ていきましょう。
他の猫砂がダメな理由①:砂の粒が大きすぎる
紙製・木製・おから製の猫砂は鉱物系と比較して粒が大きすぎます。
手元にあった一般的な紙製の猫砂と鉱物系の猫砂を比べてみましょう。
鉱物系以外は粒が大きい
紙製の猫砂は粒が大きいのが一目瞭然ですよね。
粒が大きいと肉球に当たる感触を嫌がることが多く、猫のトイレが気に入らないサインであるトイレの縁に乗ったり、足をかけたりすることがあります。
木製やおから製も紙製と似たような大きさですから、これらの猫砂は猫からあまり人気がありません。
またシステムトイレ用の猫砂も粒が大きく、嫌がる猫ちゃんが多いです。
他の猫砂がダメな理由②:固まりが悪い
過去の研究では、猫はしっかりと固まるタイプの猫砂が好きだということがわかっています。
この理由はよくわかっていませんが、個人的には固まる砂の方が結果的にトイレを清潔に保ちやすいからだと思っています。
鉱物系はがっちり固まる
というのも、鉱物系以外の猫砂は固まりづらく、スコップですくうとポロポロと崩れてしまいます。
崩れてしまった尿を含む猫砂はスコップでは回収しづらく、どうしてもトイレ内に残ってしまいますよね。
固まる力が弱いとポロポロ崩れて猫トイレ内に残る
残った猫砂の臭いや汚れを気にする猫ちゃんは結構多いのですよ。
また全く固まらないシリカゲルタイプは、過去の研究でも猫からの人気がないことがわかっています。
他の猫砂がダメな理由③:軽すぎる
猫にとって、砂のかき心地も大事です。
そのため、自然の砂に近いある程度の重量感があった方が猫に好まれやすいのです。
紙製や木製・おから製、シリカゲルがあまり猫に人気がないのは、軽すぎて砂のかき心地が悪いのも原因の1つなんでしょうね。
おすすめの猫砂④:猫砂の選び方
以上のことを踏まえて、猫砂の選び方について詳しく見ていきましょう。
- ほこりが出にくい鉱物系
- 無香料
- 消臭効果が高い
ホコリの少ない鉱物系の猫砂を選ぶ
前述の通り、猫人気No.1は圧倒的に鉱物系の猫砂です。
愛猫のことを1番に考えるなら、鉱物系の猫砂一択です。
ですが、鉱物系の欠点の1つにホコリが舞やすいことが挙げられます。
ネット上では鉱物系猫砂の主成分・ベントナイトの危険性を指摘した記事がありますが、ネットにかいてあるほど危険なものではありません。
とはいえ、砂ほこりは吸い込まないに越したことはありません。
ホコリの少ない鉱物系猫砂を選ぶようにしましょう。
鉱物系の猫砂はペレットタイプと砂タイプに分かれます。
鉱物系は「ペレットタイプ」と「砂タイプ」に分かれる
ペレットタイプはホコリが舞にくいようにペレット状に加工されたもの。
砂タイプはより粒が小さく、ほぼ見た目は自然の砂と一緒のものです。
メリット | デメリット | |
ペレットタイプ | 砂ぼこりが舞にくい | 粒が大きい |
砂タイプ | 自然の砂により近い | 砂ぼこりが舞やすい |
1番のおすすめはダストカットされた砂タイプですが、値段が気になるようであればペレットタイプが良いでしょう。
猫砂は「無香料」を選ぼう
最近、香り付きの猫砂が増えてきていますが、無香料と香り付きどちらの猫砂が良いのでしょうか?
Horwitz (1997)らは、香り付きの猫砂を使用することが粗相をしてしまう危険因子である可能性を見出しました。
その後、Sung and Crowell-Davis (2006)とNeilson (2011)は、猫が香り付きの猫砂と香り無しの猫砂の間で好みを示さなかったと結論づけています。
とはいえ、香り付きの猫砂を好んで使用したという文献は私が探した限りでは見つけることができなかったため、個人的には無香料のものを選んだ方が良いかなと思います。
猫砂は「消臭力の高い」ものを選ぼう
最高の猫トイレを目指すためには、やはり「臭いのコントロール」も重要です。
ニールソンらは、通常の猫砂よりも消臭効果のある炭素を含む猫砂が好まれることを発見しました。
さらに、CottamとDodman(2007)らは、臭気除去スプレーを使用した方が猫の不満行動と粗相の頻度が減少することを発見しました。
最近の猫砂の中には消臭剤が含まれているものも多くあります。
消臭効果の高い製品を選ぶ方が良いでしょう。
おすすめの猫砂⑤:この猫砂なら間違いなし!
これまでいくつか猫砂を試してきたきましたが、その中でもおすすめの猫砂を紹介します。
プレシャスキャット (Precious Cat) Dr.エルスレイ ウルトラ
ぜひおすすめなのが、このプレシャスキャット Dr.エルスレイ ウルトラです。
この猫砂、めちゃくちゃ良いです。
公園からとってきたんですか?ってくらいマジで砂。笑
決め手は、これほど粒の小さな砂なのにホコリがかなり少ない。
製造過程できちんとダストカットされているようです。
うちではこのプレシャスキャット Dr.エルスレイ ウルトラを愛用していますが、にゃんちゃんもこの砂がちょーお気に入り。
排泄後はガンガン砂をかきまくり。
もちろん、固まる力も非常に強く、数秒でがっちり固まります。
がっちり固まるため、崩れにくく消臭効果も高いです。
値段も他のいわゆる高級猫砂より安いのも高ポイント。
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ライオン ニオイをとる砂
「ライオン ニオイをとる砂」もおすすめの鉱物系の猫砂です。
おすすめの猫砂
一度はこのパッケージ、見たことあるのでは?
スーパー・ホームセンター、どこでも置いてあります。笑
ペレットタイプの鉱物系猫砂なので、ホコリが少ないのが特徴です。
また、水色のペレットは消臭剤。
さすが、ニオイをとる砂とあるだけあって消臭効果はバツグンです。いい。
いろんなラインナップがあり、香り付きのものもありますが、無香料のものをおすすめします。
おすすめの猫砂⑥:鉱物系猫砂のデメリット
これだけ絶賛してきた鉱物系猫砂ですが、唯一のデメリットがトイレに流せないところ。
これまで紙製などを使ってきた方からすると、ここが鉱物系に踏み出せないところかもしれませんね。
うちでは専用のダストボックスをトイレの横に置いておき、ゴミの日にまとめて捨てるスタイルでやっています。
専用のダストボックスを置いています
消臭効果の高い猫砂を使用しているおかげか臭いはそこまで気になりません。
どうしても気になる場合は、臭いを抑える専用のダストボックスもおすすめですよ。
また、驚異の消臭袋と名乗っているBOSの「臭いがしない袋」もまじでおすすめです。我が家ではこの袋で処理していますが、ほんとに臭いが全くしません。
出来立てホヤホヤのうんちもこの袋に入れて口を閉じてしまえば、無臭です。ほんとに驚異の消臭袋!
おすすめの猫砂⑥:深さも大事
猫砂の種類も大事ですが、猫砂の深さもすごく大事です。
トイレで悩んでいる方って猫砂の量が少ないんですよね。
猫が少し砂を掻いただけでトイレの底が見えてしまうくらいでは浅すぎです。
5cmくらい入れれば十分かなと思います。
赤矢印が深さ10cm
メモリがあるリッチェルの猫トイレは便利ですよ。
おすすめの猫砂まとめ
猫にとって快適なトイレを目指すために、猫砂をぜひ見直してみましょう。
猫砂は以下のポイントに気をつけて選んでください。
- ほこりが出にくい鉱物系
- 無香料
- 消臭効果が高い
にゃんとすおすすめの猫砂は以下の2製品です。
おすすめの猫砂
おすすめの猫砂
より良いトイレを目指すためには、猫砂だけでなく、トイレ自体の選び方も重要です。
以下の記事も参考にしてください。